今、夢中になっていること、それは子どもの絵を描くこと。
きっかけは、昨夏家庭画報大賞の取材を受けることが決まったとき、思い描く色やイメージに合う絵を探すより、自分で描こうと思いついて。母が長年、油絵を描いているのですが、身近過ぎてかえって絵筆は遠い存在でした。
壁の色を塗り替えるのはちょっとした決断ですが、壁に好きな色の絵(たとえば一色で塗りつぶしただけのパネルでも、描き手の意思がこめられていればアート)を飾るだけでも空間のイメージは大きく変わります。
では、何をテーマに?・・・と考えて思いついたのが、ころころと変わる子どもの無心な表情。大人になるにつれ、表情は固定されてくるような気がします。お気に入りの子どもの写真を見ていると、遠い過去でもないのに、走馬灯のようにその時々の情景がいきいきと甦ってきます。
この絵のインスピレーションは、エルメスのビジュアル、音楽、街で目にしたスターバックスのクリスマス・デザインから得ました。一見、何の脈絡も関連性もないものが一枚の絵の中に集約されていく過程。その過程を楽しみながら、時に生じる偶然性も絵に深みを与え、失敗も活かせるのが油絵の面白さ。写真は写真にすぎませんが、絵にすると絵の具の質感がリュクス感を醸し出させるから不思議です。
この絵” A Silent Night " を見ていると、最近では生意気盛りの息子もこんな無邪気な日々があったことが思い出され、さざ波が広がるように心が満たされていくのを感じます。
息子に見せたときの感想は、少し照れた様子で、「横にママも立っていたらいいのに」・・・でした。
この絵は、2007年8月7日、アメリカ ヴァージニア州のレストン・アーティスト連盟(LRA)のファイン・アート・エキシビジョンで一等賞を受賞しました。
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